いい映画は冒頭から観る人を魅了する。この映画もそうだ。冒頭10分の長回し。暗転の中、主人公ルークの息づかい。これからショーの見せ場に向かう、精神統一。ナイフ回しの金属が擦れ合う音、そこからこどもや大人のはしゃぐ声、ここは遊園地だ。ルークは鉄球の中をオートバイクで駆け回るスタントショーの人気ライダー。出番を待つトレーラーにノックの音「出番だぞ!!」トレーラーからスローモーションで遊園地内のステージを練り歩き、鉄球をまわるスタントまでワンカットで魅せる迫力。しびれた!!
http://youtu.be/zhb2F5df4Vg

あらすじ

移動遊園地でスタントショーのオートバイクレーサーであるルーク。一歩間違えれば死と隣り合わせのスタントショーで人々を魅了する。いつものようにショーの終わりにこども達にサインをしていると、ある女性が声を掛ける。それは以前ショーで回った時に付き合っていた元恋人ロビーナ。ロビーナに自分の子がいることがわかり、ロビーナとこどもが自分の居場所であると決意し、ライダーをやめたが、いざ新しい場所に飛び込んでみると、そこには自分の思い描いた拠り所とする場所はそこにはなかった。ロビーナと自分のこどもとの生活を手に入れたいルーク。理想を強く求めるあまり、次第に犯罪に手を染めていく。ショーで慣らしたライダーの腕を活かし銀行強盗をかさねるルーク。理想は少しずつ少しずつ遠のいて、やがてルークに悲劇が忍び寄る…
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 [DVD]

『ブルーバレンタイン』の監督・俳優コンビ再び

今作『ThePlace Beyond The Pines』は、現代版バグダッドカフェともいえる『ブルーバレンタイン』の監督・主演コンビの第2作。
ブルーバレンタイン [DVD]
数々の映画賞にもノミネートされ批評家からも高評価であった前作。ただ物悲しすぎて、観終わって気落ちしたのがすごい印象に残っていた。『ドライヴ』からのゴズリングファンとしては外せない作品だけど、デレク・シアンフランス監督とライアン・グズリングのタッグでこの予告編なら、また落ち込むだろうなーと映画鑑賞は敬遠していました。
ドライヴ [DVD]
先日レンタルされていたので観てみましたら、ビックリ!!
前作の印象でこのままずっと観なかったら、一生後悔するところでした。
秀作ですね、じわじわくる秀作。
ブラッドリー・クーパーが追う役(警官役)で、「まぁ作風はちがうけどベンアフレック監督の『ザ・タウン』のアクション控えめ・悲劇多めだろう」と想像していましたが、全然違いました。
この作品、シナリオ・撮影・演技・音楽どれをとっても素晴らしく映画の教科書のようにてんこ盛りなんですが、さらに驚いたのは、監督の挑戦でした。ルークの人生の逃避行に終わらず、そのあと、さらに後と物語は続きます。3部構成といってもいいかもしれません。『ブルーバレンタイン』で打ちのめされて、もうああいう作風は嫌とわたしのように思っていた人は、損しています。絶対観るべきです。

作品のなかで出てくる繰り返し

[松林の役割]
舞台となったニューヨーク州スケネクタディはwikiによると、名前の由来は先住民でいう「松の平野のむこう」だそうで、おそらく監督は松林を最初のサーカスショーでいう、自分以外の集団として見立て、松の平野のむこうに自分のプレイスがあるとうプロットに設定していると思う。現に松林のなかで物語の闇・真実が表に出てくる。松林とその向こうの対比が面白い。警官エイヴリーとルークの松林の役割は対照的だ。ルークは松林の向こうの理想に近づけず怯えからの逃げ場であった松林、エイヴリーにとっては松林のむこうでは偽りを大きくしていき、松林で真実を明かす。
その仲介役というか松林とむこうのはざまにいたのが、元銀行強盗ロビンかもしれない。

[父が子にむけた眼差し、子が父にむける眼差し]
いずれもエイヴリーに向けた眼差しではあるが、これも繰り返しで使っている。
おそらく因果応報もしくは、眼差しをむける者のみが知るエイヴリーの真実(未来)かな。

他にも、あの短さで、あの恐怖感を出せるレイ・リオッタや、「冒頭の長回しでステージ小屋までは、手持ちのゲリラ撮影だろう?」、ゴズリングとエヴァ・メンデスのその後♡などいろいろと他にも語りたくなる良い映画だった。

音楽歌詞が、また良かったのでそれについては後日アップします。

【ハラハラドキドキ】
【悲しい】
【明日への希望】
【ゴズリング&クーパーファンオススメ度】